札幌公演 シゲさんレポート
2012年12月6日(木)〜7日(金)
クリエイティブオフィスキューの鈴井亜由美社長が、この【イシノマキにいた時間】の舞台を見に足を運んで下さったのが2012年7月1日石巻中央公民館での公演だった。
前々日の6月29日に牡鹿半島の狐崎にある東浜小学校で公演したとはいえ、石巻の地元の人たちが、この舞台をどんな想いで見てくれるのか、変な汗が出てくるぐらい緊張していた日だった。公演後、変な汗がグッと引いて、緊張がほどけ、疲れがドッと出た頃に、亜由美さんが楽屋にいらして『この舞台、札幌でやろう!』と言って下さった。ただ札幌でやる場合、飛行機での移動費や宿泊費、会場の劇場費などを考えると、そう簡単に返事するわけには・・・
え?【クリエイティブオフィスキュー東日本大震災復興支援企画】として、すべてオフィスキューがバックアップしてくださる?いやいやいや、いくらなんでも、そういうワケには・・・甘えます。甘えさせて頂きます。
舞台を見終わった石巻のみなさんから 『ありがとう』 というコトバと 『この舞台を全国のみなさんに届けてください』 と言われてスグにより多くの人に見てもらえる機会が増えたと喜んだ反面、スケジュールや諸々の都合で、札幌公演日程が12月と決まると、その頃に、この作品は伝わるのだろうかとちょっと心配にもなった。
しかし上越高田の公演(2012年11月24.25)の頃から、『あの頃の石巻』 を知ってもらうことで 『今の石巻』 を伝えていくことが必要だと強く感じていた。舞台中、人志の『今も流れてる石巻の時間を、これからも伝えていこうと思っています』 というセリフは 『あの頃の石巻』 を感じてもらった先にあるんじゃないかと。
そういう意味で、札幌公演(12月6日)での戸次重幸くんとのアフタートークという新しいカタチには、新しい可能性があったように感じた。
シゲちゃんの『漁業支援に入った時に、牡蠣が腐ってて、凄いニオイなんですよ』 というコトバを聞きながら、『コレは伝えられないんだなぁ〜』 とボンヤリ感じてた。
舞台では、石巻が元気になっている部分と、取り残されていく部分を、目と耳と心で感じてもらえるようにやってきた。ただ、鼻(ニオイ)と口(味)で感じるには、やはり石巻に行かないとダメなのかと思ってたが、口(味)には可能性があった。石巻の地元のモノを食べてもらえばいいのだと。
今、札幌での再演に向けて動き出している。この作品をもう一度、そして、もっとたくさんの人に見てもらいたいと動いて下さっている人たちがいる。また、札幌で伝えられる日が早く来るといいなぁ〜と、そうすれば、また美味しいモノが食べられるなぁ〜と。
そういえば、カリー軒(カレーとハンバーグで有名な札幌の洋食店)にメンバーとスタッフを連れて行ってなかった。地元の美味しいモノを食べる。これは、復興支援に限らず、その地を知り、その地を応援する大きなチカラになるんじゃないかと思う。
札幌公演 制作レポート
シゲさんからの報告にあるように、7月の石巻公演に、鈴井亜由美社長が観に来て下さり、観劇後、シゲさんの脚本、復興支「演」というこの活動に大きな賛辞を送って下さった中央公民館の廊下でのシーンが、とても嬉しく心に残っている。
震災直後、俳優という職業、コメディーというジャンル、またエンターテイメントに何が出来るんだろうと、皆で呆然とした、あの頃が甦り、亜由美社長が「カッちゃん(シゲさんのこと)。ほんとに素晴らしかった!こういう伝え方があるんだと勉強させてもらった」と、謙虚に、そして熱く仰ってくださる言葉に、思わず涙腺がゆるんでしまった。
エンターテイメントを牽引する立場の亜由美社長の言葉に、シゲさんはじめ、皆が救われ「やっと自分達の出番がきたのかもしれない」 と、あの日、石巻で勇気の素を頂いた。
東日本大震災の復興支援の取り組みとして、震災直後から東北の産業復興支援をはじめ、様々な活動を継続されているクリエィティブオフィスキューさん。そのホームグラウンドである札幌 cube gardenで上演させて頂ける安心感。またアフタートークショーには震災後、石巻でシゲさんと一緒に1個人のボランティアとして活動した戸次重幸さんも、お忙しい中、駆けつけて下さり、札幌の皆さん、キューファンの皆さんにも作品を通じ、トークショーを通じて、石巻を感じてもらえた。
札幌公演後には、シゲさんが大泉洋さんのラジオ番組「大泉洋のサンサンサンデー」(HBCラジオ)にゲスト出演させて頂いたり、TEAM NACSの皆さんの
バラエティー番組「ハナタレナックス」(HTB)で「イシノマキにいた時間」札幌公演を取り上げて頂いたりと、HTB(北海道テレビ)さんの拡げる後方支援も!!全てのキッカケを作って下さったクリエイティブオフィスキュー鈴井亜由美社長、スタッフの皆様に感謝。
最後に忘れてはいけない報告を。札幌公演の仕込み日に、富良野演劇工場の太田工場長と舞台監督の九澤さんも雪の中、富良野から札幌まで車で、仕込みの手伝いだけに来て下さったのだ。なんという演劇界の後方支援!!
そして我らが大応援団長、吉俣良さんも札幌入り。素晴らしい生演奏でサポート。
12月、雪降る北の大地で、北海道の皆さんの暖かさに包まれた2日間だった。
札幌公演 入場者数 約300名。