富良野公演 シゲさんレポート

2012年9月8日(土)〜9日(日)

 

 

 

 

 

富良野公演は、これまでの全国ツアー(と言っても、鹿児島と富士宮の2ヶ所しかやってきてなかった・・・)とは、少しだけ違った思いの公演だった。それは、これまでの5年間、毎年定期的に『もっこり祭り』として、バカバカしい笑いの舞台をやらせてもらい、その度に準備やチケット販売に動いて支えてくれていた実行委員会のみなさんがいて、舞台を終えた打ち上げの度に『また来年もオモシロイ舞台を期待してるよ。』と言ってくれていたので、被災地を題材にした【イシノマキにいた時間】に対して、どういう思いで携わってくれているのかを考えたからだと思う。

富良野では、今年の2月にも【漢祭(オトコマツリ)】というタイトルで、震災には全く触れない『笑い』だけの舞台を上演した。それが出来たのも、ホームグランド(勝手に、そう呼んでます。)で、毎回温かく迎えてくれる人たちがいたからで、そういう意味では、今回の【イシノマキにいた時間】は、今まで見に来てくれてた人たちが、どんな反応でチラシを手にしてくれるのか、そして、その人たちが、どんな期待を持って劇場まで足を運んで見に来てくれるのか、正直不安だった。ただ、いつも見に来てくれる人だからこそ、今までとは違った『温かく、楽しく、悲しい』石巻の今を伝えたいと思ったし、被災地である石巻が、なぜ温かかったのか?何が楽しかったのか?そして、どんなに悲しかったのか?を富良野のみなさんにも伝えたかった。

結果、本当にたくさんの人が協力してくれた。様々な団体の協力で、ロビーでのパネル展が行われ、富良野高校の新聞部の生徒さんたちも取材をして新聞に掲載してくれた。北海道新聞は富良野版ではなく全道版に記事を載せてくれた。また、自衛隊の上富良野駐屯地のみなさんも、ちょうど僕がボランティアをしてた時期に、石巻・女川で捜索活動や様々な支援活動をされていたコトに、少なからず縁も感じた。他にも、たくさんの人が、この作品を見て欲しいという思いで動いてくれたことが、多くのお客さんが足を運んでくれる結果につながったと思う。

芝居を見終わった人から、たくさんの感想をいただいた。その中に『今までの中で一番良かった。』という感想が多かったのは、複雑ではあったが、素直にうれしかった。もちろん、富良野で公演する時は、毎回、前回よりもイイ舞台をと思ってるので、そういう意味では、当然なのだが、5年間やってきた笑いが、この舞台に繋がったコトは、これまで応援し続けてくれた実行委員のみなさんのおかげだと思う。また、次の5年も「今、芝居で何を伝えたいのか?」を考えながら、毎年このホームグランドに新しい作品を届けられるようにしたいと思った。次回は、もしかしたら【富良野にいた時間】なのかもしれない。

終演後のロビーで吉俣良さんと
終演後のロビーで吉俣良さんと

今回も、生演奏を快く引き受けて下さった吉俣さんに大感謝です。ドラマ『風のガーデン』のテーマ曲を吉俣さんが作っていたおかげで「こんなにも富良野と繋がりあるんだから、これは来てもらわないと!」という、かなり強引で勝手な言い分を聞いて頂き、本当にありがとうございました。次の勝手な言い分も、なるべく早めに言いますので、ご検討ください。

 

富良野公演は土日で3回。足を運んで下さったみなさん、本当にありがとうございました。

 富良野公演 制作レポート

福島さんと富良野の出会いは2006年12月だった。

同じ年の5月、鹿児島からスタートした自転車での旅、作りすぎてしまったDVDを行商する全国縦断の旅の最終目的地が「誠意の聖地・富良野」だったのだ。その後3年ほど生活の拠点を富良野に移し、その時に出会った方々が実行委員会を結成してくださって、富良野演劇工場という素晴らしい会場での公演が実現した。

そして今回も吉俣良さんがスペシャルゲストとしてピアノ生演奏で参加してくださり、しかもオープニングにもご登場。富良野が舞台のドラマ「風のガーデン」テーマ曲や作曲裏話で場内を沸かせた後「音涯(ねがい)」を演奏、この曲に込められた想いを引く継ぐように本編のスタートとなった。吉俣さんのピアノを聴いて満足して帰られる方がいるのではないかという心配はここで杞憂に終わる(笑)

会場ロビーではこの公演に合わせ、東日本大震災復興支援活動写真展を開催。震災直後、被災地で活動する自衛隊上富良野駐屯地隊員の方々の様子や被災地から富良野へ避難している方々との交流など、富良野市沿線で復興支援活動する方たちの姿が展示され、開場前や終演後たくさんの方が写真パネルに見入っていらっしゃった。

そんなみなさんの姿を見て、身近な人たちの活動を知る事で他人事ではなくなり、そこからまた誰かに伝えられていくのだと強く感じることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この舞台を富良野のみなさんに伝えたいと呼んでくださり、チケット販売、キャスト・スタッフへ宿泊地の提供・送迎、本番当日の食事作り、大雨の中での駐車場整理など実行委員会の皆さんのお力があって富良野での3公演を無事終了することができた。福島さんのホームだった富良野がキャスト・スタッフ全員のホームとなった!富良野演劇工場3公演、入場者数約430人。

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